2017年度から施行された「保育士処遇改善案」は知っていますか?
キャリアアップの構図が曖昧になっている保育業界で中堅保育士の立場を構築しようという試みです。
保育士処遇改善案の詳しい内容はこちらの記事でどうぞ。
では、この処遇改善案の中にあるキャリアアップ研修とは具体的にどんなことをどのくらい受講するのかご紹介します。
Contents
キャリアアップするには絶対に必要!
保育士処遇改善案には新たな役職が制定されています。
役職には園長からの正式な発令があって就くことができます。
そこでスキルアップ研修を履修しなければいけなくなるのです。
厚生労働省が示したキャリアアップ研修の中身は全部で8個あります。
ではそのキャリアアップ研修の中身をじっくりとご紹介します。
1.乳児保育の内容
まず1つ目は「乳児保育」です。
主に0~3歳児向けの保育内容を研修します。
ねらいは
乳児保育に関する理解を深め、適切な環境を構成し、個々の子どもの発達の状態に応じた保育を行う力を養い、
他の保育士等に乳児保育に関する適切な助言及び指導ができるよう、実践的な能力を身に付ける。
としています。
このねらいを踏まえて研修内容は
- 乳児保育の意義
- 乳児保育の環境
- 乳児への適切な関わり
- 乳児の発達に応じた保育内容
- 乳児保育の指導計画、記録および評価
といった5つの大きな柱を主にしています。
知ってて当たり前の知識でも、研修で再確認し深めていくチャンスがあるというのは素晴らしいことです。
2.幼児教育の内容
続いては「幼児教育」です。
主に3歳児以上向けの保育内容を深めていきます。
ねらいは
幼児教育に関する理解を深め、適切な環境を構成し、個々の子どもの発達の状態に応じた幼児教育を行う力を養い、
他の保育士等に幼児教育に関する適切な助言及び指導ができるよう、実践的な能力を身に付ける。
としています。
このねらいを踏まえて研修内容は
- 幼児教育の意義
- 幼児教育の環境
- 幼児の発達に応じた保育内容
- 幼児教育の指導計画、記録および評価
- 小学校との接続
の5つの柱があります。
とても特徴的だな、と思ったのは「小学校への接続」です。
3.障害児保育の内容
今度は「障害児保育」です。
最近では、障害児保育を行う保育施設が増えましたよね。
ねらいは
障害児保育に関する理解を深め、適切な障害児保育を計画し、個々の子どもの発達の状態に応じた障害児保育を行う力を養い、
他の保育士等に障害児保育に関する適切な助言及び指導ができるよう、実践的な能力を身に付ける。
としています。
このねらいを踏まえて研修内容は
- 障害の理解
- 障害児保育の環境
- 障害児の発達の援助
- 家庭及び関係機関との連携
- 障害児保育の指導計画、記録及び評価
の5つの柱になっています。
このキャリアアップ研修の中に含まれていなかったとしても、障害児保育をテーマにした研修会に参加したいと思っている保育士は多いはずです。
4.食育・アレルギー対応の内容
4つ目は「食育・アレルギー対応」です。
食育も保育方針の1つに掲げている保育施設も多いです。
ねらいは
- 食育に関する理解を深め、適切に食育計画の作成と活用ができる力を養う。
- アレルギー対応に関する理解を深め、適切にアレルギー対応を行うことができる力を養う。
- 他の保育士等に食育・アレルギー対応に関する適切な助言及び指導ができるよう、実践的な能力を身に付ける。
という3つです。
ここから研修内容は
- 栄養に関する基礎知識
- 食育計画の作成と活用
- アレルギー疾患の理解
- 保育所における食事の提供ガイドライン
- 保育所におけるアレルギー対応ガイドライン
の5つの柱です。
給食を提供する保育施設において、食育やアレルギー対応というのは欠かせないものですよね。
正しい知識と、対応方法を知っておくことで、自信に繋がります。
5.保健衛生・安全対策の内容
続いては「保健衛生・安全対策」です。
たくさんの子供の命を預かる仕事だからこそ、ないがしろにしては絶対にいけない分野です。
ねらいは
- 保健衛生に関する理解を深め、適切に保健計画の作成と活用ができる力を養う。
- 安全対策に関する理解を深め、適切な対策を講じることができる力を養う。
- 他の保育士等に保健衛生・安全対策に関する適切な助言及び指導ができるよう、実践的な能力を身に付ける。
という3つです。
ここから研修内容は
- 保健計画の作成と活用
- 事故防止及び健康安全管理
- 保育所における感染症対策ガイドライン
- 保育の場において血液を介して感染する病気を防止するためのガイドライン
- 教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン
の5つの柱からできています。
6.保護者支援・子育て支援の内容
今度は「保護者支援・子育て支援」です。
普段の仕事内容の中で一番「保護者対応」に頭を悩ませているという保育士さんも多いことでしょう。
ねらいは
保護者支援・子育て支援に関する理解を深め、適切な支援を行うことができる力を養い、
他の保育士等に保護者支援・子育て支援に関する適切な助言及び指導ができるよう、実践的な能力を身に付ける。
としています。
研修内容は
- 保護者支援・子育て支援の意義
- 保護者に対する相談援助
- 地域における子育て支援
- 虐待予防
- 関係機関との連携、地域資源の活用
といった5つの柱からできています。
毎日顔を合わせる保護者支援だからこそ、難しくもありデリケートでもありますよね。
子どもを守ることで保護者も守れるという知識や手段を教えてくれる研修内容になっています。
7.マネジメントの内容
更に、「マネジメント」です。
保育業界で「マネジメント」は必要ないんじゃないかと思うかもしれません。
しかし、キャリアアップを考えた時に、「マネジメント」というのはとても大切な役割になってくるのです。
ねらいは
主任保育士の下でミドルリーダーの役割を担う立場に求められる役割と知識を理解し、
自園の円滑な運営と保育の質を高めるために必要なマネジメント・リーダーシップの能力を身に付ける。
となっています。
この事から研修内容は
- マネジメントの理解
- リーダーシップ
- 組織目標の設定
- 人材育成
- 働きやすい環境作り
の5つの柱になっています。
やはりどれもキャリアアップした後にすぐに使えるものになっていますね。
副主任保育士の役職を目指すのなら必ず履修しなくてはいけない研修になっています。
8.保育実践の内容
最後は「保育実践」です。
これは普段の保育で使える知識がたくさんです。
ねらいは
子どもに対する理解を深め、保育者が主体的に様々な遊びと環境を通じた保育の展開を行うために必要な能力を身に付ける。
としています。
その上で研修内容は
- 保育における環境構成
- 子どもとの関わり方
- 身体を使った遊び
- 言葉・音楽を使った遊び
- 物を使った遊び
の5つの柱で構築されています。
すぐに普段の保育で実践できることでしょう。
キャリアアップ研修の回数や実施する機関はどこ?
キャリアアップ研修は厚生労働省が施行した「保育士処遇改善案」の一環です。
ということはキャリアアップ研修も、一か所で行われそこに行かなくてはいけないんじゃ?と不安に思っている人も多いかと思います。
ですが、キャリアアップ研修を実施するのは、各都道府県となっていて、都道府県によって開催する日時や場所もまちまちです。
あなたが今住んでいる場所のキャリアアップ研修を受けることができるんです。
それじゃあ、引っ越しや転職などをきっかけに他の都道府県に行ってしまった場合はどうなるんだろう?
もう一度キャリアアップ研修を受けないと役職につけないの?
という質問も良く頂きます。
どんな理由であっても一度履修したキャリアアップ研修の資格は都道府県が変わっても取り消されることはないからです。
キャリアアップ研修の回数は何回?
これは1つの研修が何回というのは決められていません。
その代わり、1つの分野につき、15時間以上の研修とすると言った内容が決められています。
なので、各都道府県の判断によって一日に6時間研修を受けることができたり、5時間研修を受けることができたり・・・とマチマチです。
ですが、「副主任保育士」や「専門リーダー」はそれぞれ4つ以上の研修を履修することが決まっていますので、60時間以上研修を履修することになります。
保育士として勤務しながらこれだけの研修を受講するというのは負担に感じる人もいるかと思います。
ですが、一度履修してしまえば、いつまでも安心してアピールできるポイントになると思います。
2018年度からキャリアアップ研修に関する条件が緩和
2018年度、内閣府は保育士の処遇改善等に関する制度の緩和を発表しました。
どんな緩和がされているのか、というのはこちらの記事で詳しくご紹介しております。
このことから保育士の処遇改善等加算の対象が大きくなったんです。
しかも、保育士のキャリアアップ研修は各自治体が実施を決めていて、まだまだ不十分でした。
それにつきましてはこちらの記事でどうぞ。
このことから、キャリアアップ研修については2022年度を目標に整備し、2021年度まではキャリアアップ研修を受講していなくても保育士の処遇改善等手当の支給対象にするということになったんです。
つまり、キャリアアップ研修は機能していない状態なので、基盤ができるまでは勤続年数や保育現場での施設長の判断で支給して下さい、ということなんですね。
これまでは、受講したくても自治体が開催していない、自治体の中で会場が2か所しかないなどの不満もありました。
このことから2022年度までという猶予を設けたみたいですね。
各都道府県のキャリアアップ研修の情報まとめ
そうは言っても少しずつ研修を受けておきたい、という人のために、各都道府県のキャリアアップ研修の情報をまとめてみました。
是非、あなたのお住まいの地域の自治体で受講して(もちろん他県でも大丈夫ですが)、2022年までに備えておくのも良いですね。
自治体によっては希望者が殺到し、予約を取りたいけれどとれないという自治体もあるようです。
キャリアアップ研修を受講したいけど・・・
キャリアアップ研修を受講するということは、保育士として有給を使わなくてはいけない場合も出てきます。
この時に、あなたの職場は快く有給をとらせてくれますか?
保育士がスキルアップしようと努力しているのに、それを後押ししてくれない保育施設でこれからも我慢し続ける必要はありません。
あなたのスキルアップ、キャリアアップのために幸せな転職を検討してみてはいかがでしょうか?
大丈夫です。
引っ越ししても、転職しても、キャリアアップ研修の効果は失われませんよ!(^^)
それどころか大きなアピールポイントになるでしょう。
このチャンスを是非有効活用して下さいね。
業界最大規模の求人数!年収UP率の高さも評判の「保育士バンク」
業界最大規模という看板を掲げているだけあって、求人数がけた違いです。
更に、登録すると見られる【非公開求人】もあり、その中には「保育バンク」だけに載せている限定求人があるのも魅力の1つですね。
※学生(新卒)の方は対象外となります
登録方法 | サイト登録のみ |
求人数 | 非公開(業界最大級) |
職種 | 保育士・幼稚園教諭 |
施設 | 保育園・幼稚園など多数 |
雇用形態 | 正社員・非常勤・パート |
対応地域 | 全国 |
厚生労働省に認可を受けたサイトですので、保育園との結び付きも深く、良質な情報をたくさん貰えるサイトさんです。コンサルタントさんは子育て中の方が多いので、あなたの気持ちをしっかり理解してくれます。
転職先を探すところから、実際に内定が決まるまで、本当に手厚くサポートしてくれる安心できるサイトさんです。
人間関係にもう悩まない!そんな職場なら「保育aid(エイド)」
転職の理由、ナンバーワンは何と言っても「人間関係」です。
そんな人間関係で悩まない職場に転職したい!と思ったら絶対にここに登録しておきましょう!
対応地域は関東のみとなっています。
しかし、求人は厳選されたものになっていて、給料の高いものからブランクの人向けの求人まで、多種になっています。
登録方法 | サイトからか、もしくは電話 |
求人数 | 不明(非公開求人多数) |
職種 | 保育士・幼稚園教諭・小学校教諭 |
施設 | 保育園全般 |
雇用形態 | 正社員・派遣社員・パート |
対応地域 | 関東地方のみ |
コーディネーターさんに情報をたくさん貰っておけば、不安も少なく新しい職場に行くことができます。
利用者さんからも、使いやすくていい!と高評価を受けていますよ。
好条件紹介で満足度94%!お祝い金も嬉しい「保育ひろば」
「保育ひろば」は、とにかく求人数が多く、条件を細かく設定することができるのが特徴です。
日本で大手の転職サイトになりますので、求人のクオリティも高く、利用者からの満足度も高い結果を出しています。
クオリティの高い求人が多数あるのですから、当然の結果と言えば、当然ですね。
登録方法 | サイトからか電話 |
求人数 | 約10000 |
職種 | 保育士・幼稚園教諭・栄養士・看護師 |
施設 | 保育園・幼稚園・学童保育・院内、企業内保育・イベント |
雇用形態 | 正社員・派遣社員・パート |
対応地域 | 全国 |
更に、対応力が素晴らしく、登録から面接まで最短で一週間、という実力もあります。
今すぐにでも次の職場で働きたい!と強く望む人にはとても嬉しい条件になっていますよね。
また、「ちほいく」という首都圏外から通う人にとってもお得なサービスもあります。
就職が決まれば、誰にでもお祝い金2万円が支給されるので、嬉しい特典が満載ですね。