保育士ってすごく総合的な仕事だと思いませんか？
保育施設を利用する園児は、施設によっては乳児から就学前児童までとなっています。
各年齢に必要なスキルは兼ね備えているものもあれば、その年齢にだけ必要なものもあります。
あわせて重労働なので、保育士になりたいと思う人は年々減少傾向にあるんですね。
それに歯止めをかけるために、2017年4月より厚生労働省が発表した制度があります。
それは「保育士待遇改善案」です。
一体全体保育士にはどんなプラス面があるのか、キャリアアップ制度はいつからなのか？具体的に見ていきましょう。
Contents
全国の保育士の給料を一律底上げ！
厚生労働省によると2013年度から保育士に対して、給料の底上げを行っており、これまでに約30000円程度の底上げがされています。
日本全国、どこの都市で保育士さんをしていても受けることのできるメリットなんです。
これに加え、キャリアアップの仕組みを構築していくために新しい方針を創設しました。
キャリアアップ研修は保育業界の革命を促す？
保育士は他の職種に比べると、キャリアアップの仕組みがとても弱いんです。
毎年、経験を積めば積むほどキャリアアップしていくものです。
しかし、公立保育園の保育士さんなどを除くと、経験を積んだり、勤続年数が長くなってもベースアップはほとんどありません。
そこで、厚生労働省が打ち出したのが「キャリアアップ研修」という制度なんです。
これはどういった制度なのかというと、勤続7年以上の中堅保育士を対象に段階的に給与のベースアップの仕組みを作って行くというものです。
キャリアアップ研修を受け、修了し条件を満たせば
- 副主任保育士
- 専門リーダー
- 職務分野別リーダー
という3つの役職に希望すればつくことができます。
では更にこの３つの役職について見ていきましょう。
保育施設に新設される3つの新しい役職の内容
まず、それぞれの役職には勤続年数という条件があります。
「専門リーダー」と「副主任保育士」は勤続7年以上が必要です。
これは1つの保育施設に7年勤務した、ということではなく、保育士としての勤務年数が7年となっています。
まずは「副主任保育士」から説明しましょう。
これは名前の通り「主任保育士」の下の役職として位置づけられます。
処遇改善では、月額40000円のベースアップが約束されます。
ですが、役職がつくので責任も重くなり、マネジメントを園長と一緒に行ったり、他の保育士の育成も任せられます。
更に、急に「副主任保育士」につくことはできず、「職務分野別リーダー」を経験し、キャリアアップ研修をマネジメントを含む4つを修了しなくてはいけないのです。
続いて「専門リーダー」です。
こちらも主任保育士の下の役職で「副主任保育士」と肩を並べる役職です。
処遇改善も、月額40000円のベースアップとなっています。
保育業務に特化し、専門的な知識経験を活かして職場貢献をするということが求められます。
こちらも「職務分野別リーダー」を経験し、4つ以上の分野の研修を修了しておく必要があります。
最後の「職務分野別リーダー」ですが、こちらは上の二つの役職の下に位置づけられる役職です。
そのため、月額も5000円のベースアップになっています。
この役職はどれか1つの職務分野の研修を修了すればなることができます。
キャリアアップ研修ってどんなものがあるの？
役職につくために必ず修了しなくてはいけないキャリアアップ研修ですが、保育士のスキルアップに繋がる研修がたくさんです。
これは各都道府県が開催することになっています。
ですが、どの都道府県で修了しても全国共通で効力を発揮します。
例えば、東京都で最初働き、キャリアアップ研修を2つ修了していた。
その後埼玉県に転職したとします。
この時も東京で修了したキャリアアップ研修は効力を発揮します。
職務分野別リーダーを経験し、勤続年数が7年以上なら、あと2種類のキャリアアップ研修を修了すれば役職につくこともできるのです。
キャリアアップ研修は8種類！
キャリアアップ研修は
- 乳児保育
- 幼児保育
- 障害児保育
- 食育・アレルギー
- 保健衛生・安全対策
- 保護者支援・子育て支援
- 保育実践
- マネジメント
となっています。
どれも保育現場には多角的に必要なものばかりですね。
ですが、職務分野別リーダーになるには、「保育実践」と「マネジメント」は適用されません。
それ以外の6つの研修の中から選んで職務分野別リーダーになる必要があるんですね。
キャリアアップ研修の恩恵は本当に受けることができるの？
厚生労働省が構築した仕組みなので、受け取れないということはないと思います。
ですが、実はこの処遇改善の補助金を受け取る仕組みに少し弱点があるのも事実です。
その弱点は2つあります。
弱点①「人数制限」
キャリアアップ研修はもちろん誰でも希望すれば受講することができます。
しかし、受講すれば必ず役職につけるのかというとそうでもありません。
各保育施設で役職には制限があります。
- 副主任保育士と専門リーダー・・・全職員（園長と主任保育士を除く）の概ね1/3
- 職務分野別リーダー・・・全職員（園長と主任保育士を除く）の概ね1/5
弱点②「処遇改善手当の支給方法」
保育士の処遇改善手当は保育施設が自治体に申請し、要件を満たせば補助金が支給されます。
しかし、この補助金は自治体から役職の保育士に直接支給されるのではなく、対象の保育施設に一括で支給されるんです。
支給された補助金は、園長や施設長の判断で支給されます。
また、支給方法は給与のみとも限定されておらず、賞与に上乗せでも構わないとされています。
この事から、経営が上手くいっていない保育施設などでは保育士に還元しないという話もあります。
せっかく目指したキャリアアップを自分のものにするためには
あなたの勤務している保育施設はあなたの価値を正当に判断してくれていますか？
あなたがキャリアアップしたい！として努力したものを何の成果も認めず、対価も払ってくれないところにいつまでも義理立てをする必要はありません。
厚生労働省が監督しているキャリアアップ研修を受けていれば、全国どこにいっても効力を発揮します。
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