「保育士さんされてたから、育児もばっちりですね。」
という言葉を投げかけられたことはありませんか?
確かに保育士さんは他の女性に比べると子どもに対する知識が豊富です。
だからと言って、育児がプロかというとそうでもないんですよね。
今回は、他の保育士さんの体験談と共に、自分の子どものことについてご紹介しましょう。
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保育士は保育のプロでも育児のプロじゃない
保育士は毎日子どもと関わる仕事です。
なので、子どもがケガをしたり、困ったり、何かで助けてほしい時にどうしたらいいのか?という選択肢はたくさん持っています。
だからと言って育児も素晴らしく、非の打ちどころのない子どもが育てられるのか?というとそうではありません。
もしすごく自信を持って自分の子どもが一番です!と断言できる保育士さんがいるのだとしたら、驚きですね。
では、これはどうしてなのでしょうか?
その理由は誰だって持っている「感情」です。
保育士だって人間です
子どもに対する知識が豊富な分、自分の子どもになると心配になることも多く、迷いが生じてしまうのです。
これこそが育児と保育の違いです。
保育は他人の子どもと関わる仕事です。
育児は自分の子どもと向き合うことです。
こうなると、自分の子どもに対してはどうしても「感情」が入ってしまいます。
その結果、言わなくていい一言を言ってしまった。
しなくていいことをしてしまった、ということに繋がっていくのです。
保育では「叱ってもいいけど、怒ってはいけない。」とよく言われます。
これは「怒る」と言う方には「心」が入っているように、感情だからです。
保育士には子どもに魅力的な人物でいなくてはいけませんが、個人的な感情で怒るというのは保育には不向きです。
しかし、育児になるとどうしても自分の子どもへの責任や願いが大きく作用し、感情的に接してしまうのです。
もちろん感情的に接すると言うことは悪いことではありません。
感情をぶつけてこない両親は子どもにとって魅力的でしょうか?
一緒に泣いたり笑ったり、怒ったりすることで親子になっていくのです。
育児に有給はありません
保育士として働くと、週休や有給がありますよね。
これは、子どもから離れる瞬間ができるということです。
この間に、リフレッシュもできますし、次に出会う時に新しい気持ちで接することもできます。
しかし、育児になると、子どもは四六時中一緒。
もちろん休みなんかなし。
寝ている時間だって、布団を跳ねのけて寝ていないか?と心配するということもありますよね。
保育士としては楽々だった毎日も、親になって子どもと過ごすとなると、休みなしのノンストップになります。
あわせて、家事もありますので、本当に育児は尊く大変なものなんです。
保育士さんのほとんどが感じている育児の大変さ
自分の子どもを育てるということは本当に大変です。
保育士さんは出産を機に退職すると言う人も多いんですね。
しかし、いつまでも・・・というよりは3歳までは自分で育てて、その後復帰をするという場合も多いようです。
では、様々な保育士さんたちの体験談をご紹介しましょう。
体験談①「1人になりたい」
私は結婚してすぐに子どもができました。
初めての子どもで嬉しくて嬉しくて、保育園に預けて働くなんていう選択肢は最初からなかったんです。
自分1人で自分の子どもと向き合っていると、毎日が世間から切り離されたような感覚になります。
特に乳児の時には、昼も夜も関係なく、とにかく我が子のためだけに生きていました。
保育士をしていたから、絶対に上手に育てられる、という自信があったんです。
でも、可愛くて仕方のない我が子はやはり思い通りにならず、何で?!と思いました。
イライラもしたし、ワケも分からず涙が出てきたこともあります。
そんな時、フと
「あ~この子を置いてどこかに1人で行きたい。」
と思ったんでんす。
そう思ってしまった瞬間、自分がとても酷いことをしているような気持ちになって、後悔しました。
保育士してたのに、こんな弱音を吐くなんて・・・と。
最近では、我が子も大きくなってきたのでそんなことを思う瞬間は少なくなってきました。
それでもやはり、育児って本当に大変なんだな、と思います。
保育士やってたから大丈夫!と思ってたあの頃の私が恥ずかしいです。
「保育士だったのに」や「保育士のくせに」というのは、保育士をしていた自分が一番強く思うことかもしれませんね
体験談②「母親失格」
保育士をしていましたが、母親失格だと思います。
息子は3歳になりました。
毎日、一緒にいたくて、保育園には預けず、3歳までは自分の傍で・・・と思っていたからです。
ようやく、来年度から保育園に入ることが決まりました。
でも、私の息子は保育園に入る準備が何もできていません。
例えば、トイレトレーニングはまだできていません。
お箸も上手に使えません。
好き嫌いだってたくさんあります。
それよりも何よりも、椅子に座ってジっとしているということができないんです。
保育園に入園すれば必ずクラスの輪を乱す存在になるでしょう。
自分のしつけがきちんとできていないんだと思っています。
以前自分が働いていた保育園でも保育士のお母さんは何人かいました。
でも、しっかり躾をされていてお利口さんタイプもいればそうでない子どももいます。
私はできていない子どもの保護者に対して
「保育士さんなのに自分の子どもの躾もできないんだ。」
と思っていました。
今、確実に自分の身にそれが起きています。
保育士だったのに自分の子どももきちんと躾けられないなんて。
私も職場復帰しますが、やはり保育士として職場復帰します。
こんな母親失格の私に保育士としてまたうまくやっていけるのか、不安で溜まりません。
「あのお母さんは保育士なのに。」
子どもを預ける保育園だからこそ、一番気になるものです。
これこそが、元保育士のお母さんたちを悩ませる言葉です。
体験談③「プレッシャーに押しつぶされそう」
出産する前から、主人の両親に
「〇〇ちゃんは保育士だから、子育ても大丈夫ね。」
と言われていました。
産まれてから、子どものことで相談しても
「そんなこと、保育士さんしてたんなら分かるでしょ?」
と言われたこともあります。
確かに私は保育士をしていました。
でも、自分の子どもとなると話は別です。
他のお母さんに比べると「穏やか」に育児できているかもしれません。
でも、実際にはそう見えるだけで、いつも穏やかでなんかいられるわけがないんです。
私だって子どもを預けて、たまにはショッピングに行きたいとも思います。
でも、誰に預ければいいんでしょうか?
主人の両親に預けるなんてしたら、「保育士のくせに」と言われることでしょう。
一体いつまでこうしてプレッシャーに耐え続けなくてはいけないのか・・・。
相談する相手もいなくて、本当に押しつぶされてしまいそうです。
すごく重くて無責任な言葉ですよね。
ご主人に相談して、理解者を増やしていくことですね。あなた1人で抱え込まないでください。
子どもが好きな保育士だからこそ迷うことも
子どもが好きで保育士になったと言う人も多いでしょう。
ほとんどの人かもしれません。
だからこそ、自分の子どもの育児で戸惑い迷う事が多いのです。
今、美容院にいけたら・・・。
だれか他の人がこの子を見てくれたら・・・。
と思うこともあるでしょう。
それは別にあなたがいけない母親だからではありません。
母親なら誰もが一度は考えることなんです。
この経験をしていれば、あなたにとって保育士として良い経験になります。
仕事をしながら、育児をしている保護者って本当に大変ですよね。
その大変さがあなたにもようやく実感できたのではないでしょうか?
この気持ちを感じていれば、これまで以上に働くお母さんのフォローを『保育士』としてすることができませんか?
あなたを責める必要なんてないんですよ。
保育士としてより力強い存在になれるんですから、自信をもってたまには自分を褒めて甘やかしてあげてくださいね。
ちなみに、保育士は復帰し易い職業です。
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